以前のコラム(風土47)では、主にお店で供される「庶民のたべもの」を紹介してきました。
しかし、韓国でも庶民の味は家庭の日常料理が中心です。そこで、これからしばらくは我が家の日常的な食卓を取り上げ、韓国人が普段どのようなものを食べているのかを紹介していきたいと思います。
話が少しそれますが、昔の食卓にはバンチャン(おかず)の数によって、3チョプ、5チョプ、7チョプなどという形式があり、一般庶民は3チョプ、ヤンバン(支配階級)は5チョプまたは7チョプというしきたりがありました。
庶民の食卓はご飯とスープにおかずが3種類なので、日本風にいうと一汁三菜ということになりますね。
もちろん、いまではこんなしきたりも廃れ、それぞれの家庭毎に自由な献立が食卓に並ぶようになりました。
さて、それでは我が家のある日の食卓を見てみましょう。
![]() |
| ある日の我が家の食卓です |
まずはご飯です。今日は黒豆と麦を混ぜたご飯を作りました。韓国人は伝統的に健康食を好むので、このように雑穀を加える家庭が多いのです。
スープは味噌チゲです。昆布と干し鰯、唐辛子の種などで取ったダシに、お味噌、乾燥しておいた大根の葉、豆腐、タマネギを入れて10分ほど煮ます。
![]() |
| 黒豆と麦入りのご飯 |
![]() |
| 味噌チゲ |
バンチャンは、塩漬けの太刀魚焼き、ゴマ油と塩で焼いた海苔、イワシのシラスにクルミとアーモンドを加え、醤油と水飴で味付けした炒めもの、塩、醤油、おろしニンニク、ゴマ油で和えたホウレン草、大根の葉のキムチ、メシルチャンアチ(梅の漬物)と全部で六種類となりました。
白菜キムチがないことに少し驚いた方もいると思いますが、我が家ではバンチャンが十分だと思う時や毎日食べつけて少し休みがほしい時は大根の葉のキムチなど他の種類のキムチにします。
![]() |
| 塩漬けの太刀魚焼き |
![]() |
| ゴマ油と塩で味付けした焼き海苔 |
![]() |
| イワシのシラスを使った炒めもの |
バンチャンが多いと手間が掛かっていそうに見えますが、実際に食事の直前に作ったのは太刀魚焼きとホウレン草の和えものだけで、他のバンチャンは保存食として作り置いてあるものです。
![]() |
| ホウレン草の和えもの |
![]() |
| 大根の葉のキムチ |
![]() |
| メシルチャンアチ(梅の漬物) |
今回のバンチャンの中で日本のみなさんにはあまりお馴染みでないのがメシルチャンアチでしょう。
メシルチャンアチは、梅エキスを作る時に残る梅を利用した漬物です。梅エキスは梅と黒砂糖を1:1の割合で混ぜて一ヶ月以上熟成させて作ります。ここから取り出した梅の実をコチュジャンやニンニク、ゴマ油、煎りゴマ、塩などを加えて混ぜ合わせたのがメシルチャンアチです。
ちなみに、梅エキスは冷たい水で割ると飲みやくて健康にも良く、甘じょっぱい梅の香りがしてとてもおいしいものです。このエキスを調理の時に砂糖の代わりに使うこともあります。
では、次回の我が家の食卓をお楽しみに…





















